立山散策(前編)

(2000年8月14日)

 ほんの2、3日前の新聞に立山室堂直行バスの広告が載っていたので、急に思い立ち友達を無理矢理に誘いました。しかし、太平洋には台風がきており、せっかく行っても悪天候ではおもしろくないので申し込みはその様子を見るため、前日ぎりぎりにしました。弁当付きで日帰りですがひとり6,500円と非常にお得なバスです。

 朝、7時頃に金沢駅から出発なので6時前に起きてしっかり朝食をとり集合場所に向かいました。バスは2台来ていました、我々の乗る1号車はたった28名で、ぎりぎりに申し込んだのが幸いして私の座席から後ろは誰もいないのでゆったりとした気分でバスに乗ることが出来ました。

  


富山インター付近

 添乗員が乗っていませんが、バスガイドのお姉さん付きです。ちょっと新米らしいそのガイドさんの説明を聞きながら退屈することなく目的地へと向かいました。いつも富山に入ると綺麗な立山連峰を一望することが出来ます。しかしながら今回はまったく見えません。懸念していた悪天候です。

 途中立山アルペン村というドライブインで約20分休憩です。そこで黒部の名水で作ったホットコーヒーを飲み、山で飲むために黒部の名水で作ったお茶と疲れたときのためのチョコレート、ビールのつまみに富山名物かまぼこを買いました。そうしてバスに戻る時、ガ〜ンついにポツリポツリと雨が降ってきました。なんたること、せっかく慎重に天気を窺って申し込んだのに、これじゃ何しに行くかわかりません。お手頃な6,500円が急にもったいなく感じてきました。

  


料金所

 立山駅の周辺はマイカーの駐車がもの凄い数でした。普通登山するときは立山駅からケーブルに乗り美女平まで行き、そこから高原バスを利用します。

 立山はマイカーの乗り入れは出来ません。それで、バスの通行料は1台5万円余りの高額です。28人だけじゃ赤字じゃないかと余計な事を考えてしまいました。料金ゲートからくねくねと道を登って行くのですが、雨と霧はますます濃くなってきます。

 また、バスは普通、遠くの称名滝を見下ろす事が出来る滝見台で一旦停止するのですが、10b先が見えるかどうかの状態で通過していきました。しばらく登っていくとオオ〜なんと上の方に向かうに従い視界が良くなってきました。もう美女平の付近では車窓よりワタスゲなどの花も見えるくらいです。そして天狗平の付近では遠くの山並みもはっきりしてきました。下界は天候が悪くてもその雲の上は晴れていたのです。


濃霧(車窓より)


弥陀ヶ原付近

 バスは室堂ターミナルに到着しました。ここは標高2450bになります。バスを降りると思わず「気持ちいい〜」と言う言葉が友人と同時に出てきました。

 ターミナル屋上展望台から散策のスタートとなります。ここには立山と書いた岩の石碑があり、その近くに立山玉殿の湧水という名水があります。最初に飲んでおこうと思いましたが、沢山の人が群がっているのでお茶のペットボトルが空いた帰りに汲むことにしました。(しかし、飲んでおけば良かったと後で後悔することになります)

 さて、ここからの散策コースですが雄山の頂上まで行くには片道2時間かかり、バスの帰りの時間を考えるとやめた方がいいので、室堂周辺みどりが池雷鳥沢近く地獄谷をまわって時間があれば、頂上登山の途中の一の越に向かって歩き時間を見て引き返す計画にしました。


室堂ターミナル屋上展望台前の広場

 さて出発する前に配られた弁当じゃ足りないかなと思いターミナルの売店でお焼きを買いました。友人は小さなナップサックで弁当すら入りません。私はまだ充分余裕のあるデイバックだったのでお焼きと弁当は友人によって無理矢理に私のバックの中に押し込められてしまいました。ハンディが大きすぎます。缶ビール4本も入っているのに・・・


チングルマの花

 いよいよ散策の出発、下界の暑さなんかとうに忘れて意気揚々と気持ちよく歩きました。天気も山の頂上はガスがかかっていますがまずまずです。しかし、雄山や一の越の方はまったく見えません。

 このあたりでまず目に付くのが高山植物です。チングルマがよく咲いていました。

 歩いて間もなく大きなみくりが池が現れます。周囲600bあるそうです。ほとんどの人はこの周りを散策します。とても神秘的な池でこの室堂平の中心です。ここの遊歩道はコンクリートで固められた石畳で整備されています。しかし、かえって歩きにくく足に負担がかかるという悪評もあるようです。でも、軽装でサンダル履きのコギャルなんかもいるのでしかたがないかもしれません。せめてスニーカーで来て欲しいものです。数年前訪れたときはなんとハイヒールにブレザー姿のいかにもいいとこのお嬢さんがいたのには驚きましたが・・・


みくりが池

 今年の冬は雪が多かったのでまだまだ雪が残っています。近年めすらしいようです。雪渓の多さには驚きました。また、遊歩道の上に雪が積もっている箇所もあり、滑らないように気を付けて歩きました。


この日はお盆休みの真っ直中なのでとても多くの人が来ていました。


池の周りの稜線に小さく見えるのが人です。遊歩道はみくりが池をぐるっと一周します。

 池のそばにみくりが池温泉という温泉があります。標高2430b地点にあるこの温泉は日本一高いところにある温泉を持つ山小屋で誰でも気軽に入れます。

 下記はそのみくりが池温泉そばから見た地獄谷です。ここまで硫黄の匂いがただよってきました。その所々に噴煙があがっています。山が生きている証です。

 みくりが池温泉からみくりが池ぞいにぐるっとまわってみどりが池に向かいました。みくりが池周りの遊歩道の両側はハイマツにおおわれています。そのなかにライチョウがいるらしいです。

 この低木のハイマツは手入れでもしているかのように美しく、またその生長の遅さには驚かされます。ちょうどナチュラリストの方が説明されていたのでわかりました。


ハイマツ

説明を書いた看板がありました。下記がその写しです。

ハイマツ

 冬には雪の下に埋もれるハイマツは、枝が折れないようにくねくねと軟らかく曲がり、高山の環境に適応しています。厳しい自然環境下で生長は遅く、1p太るのに数十年かかると言われています。ハイマツ林はガンコウランやコケモモなどの林床の植物の保護や、ライチョウの巣作りの場所としても、重要な役割をしています。


にわか山男

 ガスも薄れ山並みもだんだんはっきりしてきました。みくりがいけ池の遊歩道より山並みが望めます。

 いつも写真を撮ってくれる人がいないのですが、今回は友人と一緒だったのを幸いに記念撮影です。お互いのカメラで撮りあいましたが人のカメラは慣れてないから撮りにくいです。ピンボケではっきりしないのはカメラのせいか友人の腕が悪いのか、やはりモデルのせいか?

 みくりが池の東にあるみどりが池です。とっても水が透き通っていて綺麗なのが印象的で、表面はまるで鏡のようでした。水に少し触れてみましたが冷たく気持ちが良かったです。


みどりが池

 みどりが池から今度はみくりが池温泉のあたりまで引き返すことにしました。山もガスがほとんど消えて頂上も見えるようになってきました。緑に真っ白な雪渓のコントラストは絶景です。

 途中で珍しい花があったので写しました。あとでわかったことですがチングルマの花が終わった後の実だそうです。


チングルマの実

 みくりが池温泉まで戻り、雷鳥沢の方へ下っていくと血の池と呼ばれているところに出ます。池と言うより大きな水たまりといった感じです。水の色は酸化鉄の成分によって赤っぽくその名の通り血の色のようです。血の池地獄と書かれていました。


血の池


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